最終更新日:2024/12/16
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(316)駐車禁止
駐車とは、車の継続的な停止、または、運転者が車から離れているため、すぐに運転できない状態での停止を指します。継続的な停止の中には、客待ちや荷待ち、5分以上の貨物の積み下ろし、故障などが当てはまります。それらを区域・区間的に禁止する標識が、「駐車禁止」です。
この標識がない場所でも、交差点・曲がり角・横断歩道から5メートル以内、バス停・踏切から10メートル以内、トンネル内などは、駐車が禁止されています。(法定駐(停)車禁止場所)
Focus
◆地域による「駐車禁止」の差異
「駐車禁止」は、日本で最もありふれた標識。
どこにでもあるからこそ、実は、都道府県によって興味深い“違い”があります。それは、「対象車両の種類の差」です。
一般に、駐車禁止をどの車両に適用するかは、都道府県ごとに決まっています。そのパターンは、
・全車両を対象にする
・二輪の自動車と自転車(軽車両)を除外する
の2つに分けられます。
特筆すべきは、岩手県、群馬県、四国全域で見られる「自動車/二輪を除く」や、
大阪府や埼玉県で見られる「自動車」、島根県で見られる「2輪のものを除く」といったところでしょうか。
赤で色を付けた都道府県は、幹線道路や生活道路にかかわらず、
その地域のほとんどで、補助標識による除外バージョンが生息しています。
一方、ピンクで色を付けた都道府県は、補助標識が付く場合と付かない場合がまちまちである場所です。
補助標識が付く地区が限定されている都道府県は、これに当たります。
例えば、大分県では、別府市の一部地域でのみ「二輪の類・軽車両を除く」という標記が、集中して見られます。
また、従来は補助標識を付けて二輪や自転車を除外していたにもかかわらず、近年になって補助標識の附置を取りやめた都道府県もあります。例えば、北海道では「2輪を除く」という標記を採用していましたが、現在は撤廃されています。また、鳥取県でも「2輪・軽車両を除く」の標記が主流でしたが、補助無しのプレーンに順次置き換わっています。
ここまで、主なものをまとめると、こんな感じです
・自動車(2輪を除く)・・・岩手、群馬、埼玉、新潟、福井、和歌山、徳島、香川、愛媛、高知
・2輪を除く・・・北海道、宮城(ほぼ廃止)、岡山
・2輪のものを除く・・・山梨(ごく一部)、島根
・2輪・軽車両を除く・・・鳥取(ほぼ廃止)、島根、広島(ほぼ廃止)、山口(ほぼ廃止)
・二輪の類・軽車両を除く・・・大分(ごく一部)
・軽車両を除く・・・高知
・自転車を除く・・・高知
・自動車・・・埼玉、大阪
※「2」は漢数字の場合もあり。
このように、都道府県によってその実態はさまざまで、「駐車禁止」標識ひとつあげても、その魅力は語るに足りません。
また、原則全車両を対象としている地域でも、道路の区間によっては、補助標識が附置されることがあります。繁華街や商業施設の周辺では、貨物車に対する駐車規制の緩和がしばしば見られます。右の写真は、広島市で撮影したものになりますが、補助標識の文量が凄いことになっています。この意味、即時に理解できますか・・・?
解答:全ての車両は常時駐車禁止。
但し、9時~12時と13時~16時は、
最大積載量が5トン未満の貨物車に限り駐車可能
また、駅周辺では、「路線バスを除く」や「客待ちタクシーを除く」といった標記を見ることができます。
「駐車禁止」そのものはありふれていますが、その補助標識も組み合わせて観察してみると、非常に奥が深いことが分かります。
◆ただの外枠じゃない!
また、「駐車禁止」は、規制時間を本標識板内に併記することができる数少ない規制標識の一つです。(左の写真では8-20と併記。)ちなみに、その他は「駐停車禁止」と「時間制限駐車区間」のみが該当します。
逆に、「車両通行止め」や「転回禁止」などは、なぜ時間を併記してはいけないのだろう・・・。
ちなみに、たまに規制時間が2フェーズに分かれていたり、30分刻みで表記されているものもありますが、スペースが狭いこともあり、その判読性は絶望的です。
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